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業務システム構築ツールで継続的な業務改善を実現する基本プロセスとは?

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これまでの記事では、業務システム構築ツールの特徴、用途に合わせた選定ポイント、導入する前に整理するべき要素を紹介してきました。今回は、それらを踏まえた上で、業務システム構築ツールを用いた業務改善の流れを、一般的なシステム開発との違いも交えながら説明していきたいと思います。

関連記事「業務システム構築ツールを導入する前に整理するべき3つの要素」
関連する業務改善お役立ち情報はこちら

業務システム構築ツールによる開発の基本プロセス

業務システム構築ツールは、手作業に依存していた業務を効率化する仕組みを実現する上で有効な選択肢ですが、単に導入しただけでは継続的な業務改善につながるとは限りません。昨今では、市場環境や顧客ニーズの変化に合わせて、自社の業務も柔軟に対応していかなければなりません。そのためには、適切なプロセスでシステム構築を進めていくことが重要です。

継続的に業務改善を行うために、業務システム構築における基本的な流れとして以下の6つのステップを意識しましょう。

1.課題・目的の設定

まずは改善したい業務の対象範囲を明確にし、システムで解決すべき課題を特定します。さまざまな関係者にヒアリングを行いながら現状の業務の問題点およびその要因を明らかにした上で目指すゴールを設定します。後に関係者の間で意見のブレが生じないように、意見を整理・統合してあらかじめコンセンサスを得ておくことも重要です。

2.業務の洗い出し

業務を詳細に調査し、どのような業務が存在するのか、そこに決まった手順やフローがあるのか、どのような要件が不可欠なのかを徹底的に洗い出します。対象業務に携わる従業員にインタビューしたり文書化したりして情報を整理するとよいでしょう。

3.新たな業務の設計

洗い出した業務や要件を元に、より効率的な業務となるように、必要な変更・改善点を示しながら新たな業務プロセスを設計します。設計にあたっては、こちらの記事でも解説しているように、「やり取りする情報(画面項目)」「業務フロー(画面遷移)」「作業内容(権限制御)」という観点で考えていくことをおすすめします。

なお業務システム構築ツールの場合は、システム設計の際にあらかじめ用意されている画面のパーツを使いながら、プロトタイプ(一部の動作や機能を検証するための試作品)をシステム利用者となる業務担当者に確認してもらいます。

一般的なシステム開発の場合、画面のイメージや操作感は設計、開発フェーズを経てテストの段階でなければ確認できないという課題がありましたが、業務システム構築ツールでは比較的早い段階から画面のイメージを確認しながら業務の設計に反映することができるため、手戻りが発生するリスクを抑えつつ、次のプロセスの「システム構築」も素早いスタートができるメリットがあります。

4.システム構築

設計した情報を元に実際にシステムを構築していきます。業務システム構築ツールの場合は、プログラミングのコードを記述する必要がなく、画面の設定ベースで構築が可能です。ただし、業務システム構築ツールは、あらかじめシステム構築の部品が用意されているという仕組み上、完全に自由なシステム構築ができるわけではないという点はあらかじめ留意しておく必要があります。

5.実運用

実際の業務でシステムを使ってもらうフェーズです。構築されたシステムを用いて、新たに設計された業務を進める中で、「システム構築」段階のプロトタイピングやユーザーテストでは気が付かなかった要改善点はないか、さらに改善してほしい点はないか、利用者の声を収集しておくことが重要です。

6.改善点の洗い出し

実運用段階での一連の業務を分析したり利用者と話し合ったりしながら、当初設定した目的を満たしているか、設定した業務フローが機能しているか検証し、次サイクルの改修対象を明らかにしていきます。構築直後の段階ではシステムが役立っていたとしても、時間とともに現場のオペレーションが変わり、システムと業務が乖離してしまうこともあるので、改善点の洗い出しは継続的に行いましょう。システムを構築したあとの、小さな修正や変更が容易であることも業務システム構築ツールを使った開発ならではの特徴ですので、その強みをぜひとも活かすべきです。

ここまで触れた6つのステップはいずれも重要なものですが、業務システム構築ツールを用いた開発の場合は、特に1~3のステップをどれだけしっかり行えるかがポイントになります。実際にプロジェクトを成功させた企業にインタビューすると、設計までのステップにおける情報の明確化を重視し、徹底していることが良くわかります。

業務部門主導でシステム開発する際の落とし穴

業務システム構築ツールは、ノーコードでシステムを開発できるという特徴から、業務専用パッケージをベースとしたシステム構築や完全にゼロからのシステム開発(=スクラッチ開発)プロジェクトと異なり、IT部門の関与が少なくても、業務部門主体でシステムが構築できるのでは、という期待の声をよく耳にします。

ここで大事なのは、システム構築のプロジェクトの進捗管理や取りまとめを行う担当者(プロジェクトマネージャー)の役割です。ノーコード開発では、先述のように早い段階からプロトタイプを提示して、システムの想定利用者の意見を聞くことができますが、パッケージのように「スタンダード」が明示されるわけではありません。

従って利用者が要望を言い合うだけではプロジェクトの進行が長引く上に、目的に沿ったシステムが構築できない、といったケースがありえます。最初に設定した目的・課題に立ち返り、優先度、予算・期間等の制約条件を加味して、関係者の合意形成を促すプロジェクトマネージャーの存在は極めて重要です。プロジェクトマネジメントをしっかりできるベンダーに支援を仰ぐことも1つの手段でしょう。

また、業務部門主導で開発できるとはいっても、他のシステムとの連携など専門的な対応を必要とする部分も発生するので、IT部門の関与は必須です。IT部門や業務システム構築ツールのベンダーなど、さまざまな関係者を巻き込み、それぞれの強みを活かしながらプロジェクトを進めることが重要だと言えるでしょう

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業務改善を支援しているBusiness b-ridge運営メンバーが、現場の肌感を交えて課題解決のヒントとなる情報をお届けするブログです。
【執筆メンバー:塩見 拓、土井 聡、平井 理博、三浦 淳平】
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