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業務システム構築ツール

業務システム構築ツールを導入する前に整理するべき3つの要素

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業務システム構築ツールにはさまざまな種類があり、企業内の特定の部門のシステムはもちろん、部門横断で行う業務システムの開発など、用途に合わせて選択すべきであるとご紹介しました。(紹介記事はこちら
同ツールを用いて既存の業務をうまくシステム化していくにあたり前提として知っておくべき重要なポイントを、同ツールが提供する主要な機能を交えながら解説します。

関連する業務改善お役立ち情報はこちら

業務システム構築ツール導入における3つの着眼点

業務システム構築ツールを用いて自社に合ったシステムを開発したいと考えるものの、初めての取り組みでは迷うことも多いはずです。まずどのような情報を整理する必要があるでしょうか。

実現したいシステムによって考えるべき事項と優先順位はさまざまですが、業務システムに必須の要素として、まず「やり取りする情報」、「業務フロー」、「作業内容」の3つに着目するとよいでしょう。これはシステム化にあたって要件を考える際はもちろん、製品を選定・検討する際にも重要なポイントです。

1.やり取りする情報=画面項目

1つ目は、どんな情報を、誰が必要とするのか、を整理しておくということです。これは業務システムにおいて、一般的なヒューマンインタフェースである「画面」を作る際の基本となる情報であるからです。また、どのような情報が入るのかを明確に定義しておくことは、入力チェックや自動入力など、作業ミスを防ぎ、効率的に業務を推進する機能の実現にもつながります。

2.業務フロー=画面遷移

2つ目の「業務フロー」は、「画面遷移」を設定する際に用います。

例えば、「【申請】が実行されたら、【確認】と【承認】ができるようにする」というように、何らかの情報の発生・変更の際、次にどのようなアクションが可能になるのかということです。この「業務フロー」と1つ目の「やり取りする情報」を関連づけることによって、システム上で1つの業務プロセスが表現できます。

3.作業内容=権限制御

最後の「作業内容」の整理も重要なポイントです。「誰が申請できるのか」、そしてその「申請を誰が閲覧、編集、削除できるのか」のような、細かな操作権限が可能かどうかです。

これらをシステム上の「権限制御」として設定することで、ルールがシステムに反映され、業務の正しい統制のみならず、情報漏えい防止、機密保持やコンプライアンス維持につながります。また、この「権限制御」は業務システム構築ツールを選定する上でも重要な要件となります。

「出庫管理システム」の例に見る業務設計事項

ここまで触れてきた「やり取りする情報=画面」、「業務フロー=画面遷移」「作業内容=権限制御」という3つの項目に関して、「出庫管理システム」の具体例を見ながら見ていきたいと思います。

例えば、ある飲料メーカーは顧客に提供するサンプル品の出庫管理をこれまでExcelファイルとメールのやり取りで行っていたとします。そこでは以下の業務の流れが発生しています。

1.飲料メーカーの営業担当者が、顧客へサンプル品の提供を約束
2.営業担当者が、サンプル品の提供をマネージャーに申請
3.申請を確認したマネージャーは、営業担当者に承認の旨を返信
4.承認を受けた営業担当者は、倉庫担当にサンプル品の発送を依頼
5.倉庫担当者は、サンプル品が届く日を営業担当者に連絡


img1サンプル品 出庫管理のプロセス

こうした一連の業務を実際に業務システム化するには、次の内容を実現できることが望ましいでしょう。

    画面:営業担当者が申請するために「取引先」「申請品目」「個数」「金額」などを記入するフォームが必要です。一方、倉庫担当者が確認・入力する画面には「届け予定日」の記入が必要です。
    業務フロー:営業担当者が申請実行後にステータスが「申請中」に変更されて承認依頼がマネージャーに通知される、そして承認後にステータスが「発送依頼中」となって倉庫へ依頼内容が通知される、というようなシームレスな処理とステータス管理ができる仕組みが求められます。
    権限制御:申請に対して限られたユーザー(今回はマネージャーまたは代理となる別のマネージャー)が承認・却下できたり、内容の修正・変更ができたりするようにします。

業務システム構築ツールも万能ではなく、入力した内容がどの範囲まで連動できるのか、どこまで自動化ができるのかには限界があります。また、例えば「業務のパターンは広く表現できたのに、細かい画面のレイアウト変更ができなかった」など、ツールの特性によって限界も異なります。新たなシステムに何を求めるのか、優先順位を意識してツールの選定・検討をするのが良いでしょう。場合によっては既存の業務フローをシステムに合わせて変更して業務プロセスを見直すのも大事なことです。

次回は、業務システム構築ツールを用いて、業務改善を成功させるポイントについて紹介したいと思います
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業務改善を支援しているBusiness b-ridge運営メンバーが、現場の肌感を交えて課題解決のヒントとなる情報をお届けするブログです。
【執筆メンバー:塩見 拓、土井 聡、平井 理博、三浦 淳平】
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