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プロジェクトマネジメント 成功の鍵 ~要求の理解(1)~

PMBOK,CMMI等のプロジェクトガイドラインが整備されており、プロジェクトガイドラインに沿ったプロジェクトマネジメントを組織的に行うことが推進されています。プロジェクトガイドラインが定められた「要求仕様の確定」について、事例をもとに、その意味を解説します。

要求とは?

要求仕様とは

プロジェクトマネジメントとは、一定期間のテンポラリー組織を形成し、異なる分野のメンバーで目標達成するマネジメント手法です。

要求とは、実現すべき事項であり、異なる分野のメンバーが正確に理解できるものでなくてはなりません。

要求の正確な理解なくして、実現はできません。

要求仕様の正確な理解のために

要求仕様の正確な理解のために

これは、私が多品種少量生産バッチプラントプロジェクトにて、多数の原料/処理/保管タンクと各種機器から構成され、設備同士でインターロック(I/L)を取りながら複雑に連係動作する案件で対策した要求仕様の理解のための方法です。

上流側のプロセスチームでプロセス設計した結果を、機器/配管/システム/計装チームなどが実体化します。プロセス側の専門的な用語・表現が正確に理解されておらず、また説明の重要な部分が系統だっていないと、予定どおりに成果をだすことができません。

そのためには、以下のような手段で、要求仕様の理解に徹底的に追及しました。
・ 詳細なプロセス条件の文書化 要求仕様の正確な理解のために
用語の定義の明確化
動作モードの設定(初期I/L、入出力、設定条件)
障害時の動作条件
・ 運転のタイムチャート化(いつ、だれが、何を、どのように実行するか)
・ 要素(配管、機器、計装、システム)単位の実現レベルの横断チェックの実行(同じレベルでの実現を検証)

プロジェクトの組織化 技術横断的なリーダー配置

異なる技術分野を束ねるプロジェクトを実現するうえで、最も重要なのは、横断的に技術責任を負うリーダーの配置です。全体像を把握する技術責任者が横断的に実現レベルを検証することで、問題は早期発見が可能になり、対策活動は、通常のプロジェクト推進のサイクルに組み込まれます。
プロジェクトの組織化 技術横断的なリーダー配置

これが行われていないと、本質的なトラブルがプロジェクト終盤まで表面化しないことになります。

全体像を把握している人がいない、且つ、相異なる見解が多数提示されて混乱する、という結果を生み出します。

私はこれまで、問題が顕在化したプロジェクトの対策活動を行った経験から、「要求仕様」を正確に理解するための方法の徹底、及び横断的な技術リーダーの配置することにより、異なる技術分野を束ねるプロジェクトで、予定どおりの成果をあげることができました。

また、要求理解のためにプロセス条件を規定した文書は、今も工場の運転教育の教材としても利用されています。

PMBOK、CMMIに述べられている「要求仕様の確定」のプロジェクトマネジメントプロセスについて、プロジェクトライフサイクルの中で、その正確な理解が一定レベルにあるか、という視点で検証することを推奨いたします。

ITコンサルタント
佐野 優治
キヤノン、東洋エンジニアリング、YMP-iを経て現在はITコンサルタントをしています。主な経験分野は、電子機器制御、ラボオート(LA)、連続プロセス制御・監視、バッチプロセス制御・監視、自動車製造ライン、製造管理システム(MES)、医薬製造向け現場連携・SCADA、生産管理システム、など。根っからの「現場好き人間」で、設備⇔システム融合をライフワークとしています。
著者メールアドレス: sano.yuji@mbm.nifty.com (ご意見、ご感想などお気軽にお寄せ下さい。)

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