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複数の事業部にまたがる輸出業務システムを刷新 Business b-ridgeを採用し、業務部門主導でプロジェクトを完遂

作成者: ビジネスエンジニアリング株式会社|2026/01/15 1:00:00

【導入のきっかけ】基幹システムの刷新計画に伴い輸出業務管理システムの見直しが必要に

村田機械は、祖業である繊維機械をはじめ、物流システム、半導体工場向け搬送システム、工作機械、情報機器など複数の事業を展開する製造業である。昨今では国際的な需要の急増を受け、特にクリーンファクトリーオートメーション(CFA)、半導体システム関連事業が好調に推移している状況だ。

同社製品の販売先は海外向けの比率が大半を占めており、海外向け事業は重要な位置づけとなっている。それを支えるために繊維機械事業部、CFA事業部、L&A(ロジスティックス&オートメーション)事業部、工作機械事業部を主軸とする各事業部門では、それぞれの業務プロセスに則った形で、輸出の際に必要な通関書類の作成および配送手配、代金回収手続きなどの業務を行っている。

同社の輸出業務システムは、基幹システムとそれに連なる各業務システムが内製でスクラッチ開発されており、随時機能を追加しながら自社の業務に最適なものを構築し運用し続けてきた。2020年にERP導入計画が立ち上がり、同業務システムを刷新する必要があった。当時の状況について繊維機械事業部 事業計画部長 大橋真太郎氏は次のように語る。

「本来であれば既存の業務システムを継続して利用したかったのですが、開発から20年近く経ち、プラットホームの老朽化やメンテナンス人員の減少により、内製スクラッチ開発は断念せざるを得ないとIT部門からと明言されていました。そのため、持続可能な新たなシステムのあり方を考えることになりました」

そこで、当該システムを最初に導入・活用していた繊維機械事業部が中心となって、共同プロジェクトを発足。新たなシステムを自社開発するのは困難であったため、市販パッケージソフトの導入を第一候補にシステム導入の検討を進めていくことになった。

【導入理由】希望にフィットしたBusiness b-ridge 柔軟性の高い開発ツールで課題解決を図る

同社は、複数の市販パッケージソフトの情報収集を重ねる中、自社の要件に合いそうな2つの製品に絞って導入に向けた検討を開始。実際にそれらのパッケージソフトを触ってみたものの、実務担当者の視点ではどちらもしっくりとはこなかったという。

繊維機械事業部 ロジスティクスチーム シニアアドバイザー 松本考広氏は「基本的には既存のシステムと同様のことをできること、今扱っている帳票などを作れることが選定時の第一条件でした。一方、パッケージソフトでは完全に業務を再現することは無理なので、多くを妥協しなければならないと悩んでいました」と振り返る。

以降、各事業部の業務要件の整理や業務プロセスの共通化の検討が続いたが、そんな折にCFA、L&A事業と繊維機械事業を中心に輸出販売の売上が急伸し、その結果として業務負荷が高まり、既存のシステムと人員体制では業務遂行のためのリソースが追い付かなくなるという事態が発生した。こうしてシステム刷新の機運がさらに高まる中、新たな選択肢として浮上したのが、クラウド型業務開発ツールの「Business b-ridge」を用いてシステム構築するという案だ。

「Business b-ridgeであれば、スクラッチ開発をせずとも、クラウド上で自由に開発ができ、かつデータも一元管理できるということで、我々の要求にフィットすると判断しました。IT部門のメンバーにも相談しつつ、候補として挙げられていた2つのパッケージとも比較しましたが、特に業務適合性をはじめとして、カスタマイズ性、機能・操作性、コスト、保守など多くの面で優れていたため、採用を決定しました」と松本氏は話す。

【運用時の工夫】要件定義で共通化システム構想に暗雲 事業部別要件の反映を決断し柔軟に対応

開発の方向性を策定しツールの選定を経て、2023年4月に繊維機械、L&A/CFA、工作機械の各部門の代表者にIT部門のメンバーを加えて、正式に輸出業務システムプロジェクトが立ち上がった。システムの開発はB-EN-Gに委託する形とし、改めて両社間で要件定義を開始した。

だが、そこでは新たに別の問題が浮上する。輸出業務という共通性はあっても各事業部の業務プロセスや生産にまつわる工程、リードタイムはばらばらであり、仕様策定段階になってシステムの共通化が難しいことが発覚。そこで追加開発コストの面も含めて、各所で再検討の作業が発生することになった。

L&A 事業部/クリーンFA事業部のチームリーダーを務めた、同 事業統括部 国際業務グループ 課長 入江牧人氏は、自部門の業務の特殊性について次のように語る。

「L&AとCFAでは、他の事業と比較して圧倒的に取り扱うデータ量が多く、出荷も長いものは1年かけて分割して製品を提供していきます。時間軸が他の事業部と違うという前提があるため、同じ輸出でも業務のプロセスが全く異なり、それが開発の難易度に影響を与えました」

検討の結果、業務プロセスを1つにまとめるのは現実的でないという結論に達したため、独自のアドオン開発も含めて事業部それぞれの業務プロセスに対応したシステムを構築するという方針に変更。事業部ごとに異なる帳票のレイアウト開発は、当初外部委託する予定だったものを自社で実施する形として対応した。

工作機械事業部のチームリーダーを務めた、同 業務部 ロジスティクスグループ 課長 三宅卓之氏は、この方針変更によって自部門のシステム開発が結果的に良い方向に進んだと明かす。

「3事業部で共通のシステムを作るという当初の構想では『工機部門だけはプロセスが違う』と戸惑いを感じていました。そのため、要件定義の段階では共通システムに合わせるためにアドオン開発の要望は抑え、運用で何とかするしかないと諦めていたのですが、3つに分かれてシステム開発を始めることになったことで、本来やりたかったことも実現できるようになりました。その意味で、途中で方向性を変えた開発の進め方は良かったと感じています」

【システム稼働後の効果】輸出業務は会社全体で10%以上効率化 情報の集約により業務負荷を低減

こうしてBusiness b-ridgeをベースに開発した輸出業務システムは、2025年2月に稼働を迎えた。新システムに移行したことで業務効率は向上し、「全社の輸出業務全体を通じて10%以上は業務効率化を実現できています」と松本氏は話す。

各事業部でそれぞれ独自の効果も現れているとのことだが、特に効果的なポイントとしては各事業部一様に「1つのフォームの中でさまざまな項目を確認できるようになったことが大きい」と声を揃える。

例えば繊維機械事業部では、「課題であった繊維機械のパーツ関連の業務プロセスに関しては、約40%の工数削減を実現しています。部内の他の担当者の反応を見てもおおむね好評です」と松本氏は語る。

L&A/CFA事業部では、システム内で状況を可視化できるようになったことが大きいという。
「データ連携機能によって今まで存在していたデータ待ちの時間が無くなり、業務のスピードが向上しました。これまでは複数システム間のデータ転記を手作業で行っていたのですが、それが解消されたことでヒューマンエラーに起因する作業ミスも抑えられています。また我々の事業部では2人1組体制で案件に対応しているのですが、メッセージ機能などによってお互いの作業状況が可視化されたことで、業務負担の調整もしやすくなるほか、管理者も進捗状況が分かりやすくなったこともメリットです」(入江氏)

工作機械事業部でも同様に、大きな成果を得られているという。
「当事業部も担当者の負荷状況の可視化をはじめ、仕事算管理の点からもリスト上で状態が分かるようになりました。また、当事業部独自の業務としては、月次・週次で定期報告する資料の作成がありますが、そこで必要な情報もBusiness b-ridgeと参照元のシステムをデータ連携させて情報を手軽に抽出できるようになり、作業負担が軽減されました。特に部品を扱う関係上、管理対象のデータ量が多い部署からは、仕事が楽になったと喜びの声が上がっています」(三宅氏)

【今後の展望】Business b-ridgeの費用対効果を評価 引き続きシステムの利便性向上を目指す

今回の輸出業務システム導入プロジェクトに関して、プロジェクト責任者の大橋氏は、「開発過程で追加費用は生じましたが、スクラッチ開発はもとより、パッケージを使った開発に比べても費用はかなり抑えられたと思っており、最終的にはやはりBusiness b-ridgeを導入して正解だったと実感しています」と総括する。

さらに副次的な効果として、IT・デジタルに関する理解や知見が高まったことも大きいという。PMを務めた松本氏は「帳票開発も、1事業部で30種類程度あるものを知識ゼロの状態から完遂することができ、自信が持てました。今回のプロジェクトを経験したことで、特にリーダークラスを中心に現場のDXに対する意識がアップデートされたと思います」と話す。

旧システムの刷新という目的を達成した同社だが、今後も引き続きさらなるシステムの利便性向上を目指している。
「現在は基幹システムとの間で売上データの連携までは実現していますが、我々としては、輸出業務から支払い請求まで一気通貫で管理できる仕組みの開発を目指しています。B-EN-Gには引き続きそのゴールに向けてのアドバイスはもちろんのこと、併せて定型業務などへのAI活用など、輸出業務にとどまらない全社的な業務の改善・効率化に関する提案もいただきたいですね。これからも幅広い形での支援を期待しています」(大橋氏)

※本記事は2025年10月現在の内容です。
※本記事中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
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