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Why Enterprise Business Collaboration?


企業は単独で業務を回すのではなく、グループ会社や、パートナーとのコラボレーションにより、グローバル市場への製品を早期に投入することを目標として活動しています。 「果たしてITを上手に取り入れて、うまく活かしているだろうか。ITのために自由度が半減している、ということはないだろうか。」と考え出した頃、お客様から「サプライヤー側の理屈で仕事のやり方が決まってしまう。これを何とかできないだろうか?」という問題提起をいただきました。また、仕事の関係者同士が必要な情報をやりとりしつつ、そのスキルを組織に継承していくためには、何が必要なのか、何が足らないのだろうか。自分の仕事を振り返って考えてみました。

医薬品工場建設プロジェクトの例:(役割毎の違いを力技でつなげた例)

弊社は、医薬品工場の製造管理・搬送管理のシステムと、製造設備・搬送設備とのインテグレーションを担当しました。このため、複数の設備担当会社と協働で、「設備・システム連携のための設計情報・テスト仕様書」を作成・確定し、変更管理を行いました。 「設備・システム連携のための設計情報・テスト仕様書」は、個別の信号情報については、設備担当会社とシステム担当会社(弊社)で共通項目になっているのですが、担当する役割によって設計時の、信号情報の並べ方が異なります。 例えば、調製タンクの会社は、「予調製」「調製」と製造プロセス単位に複数の設備をまとめて設計データを作成します。システム担当の弊社は、「調製タンク1」「調製タンク2」と、設備単位に設計データを作成します。このため、共通項目に変更があると、調製タンクの会社と弊社はお互いに、双方の設計データを自社フォーマットで、影響確認を行います。自社の文書を修正した後に、もう一度双方の設計データをそれぞれ並べ替えて、設計書とテスト仕様書を照合し、整合性の確認を行いました。

問題管理業務の例:(問合わせ先のルールにあわせて問合わせ、結果を自社の台帳へ更新する例)

1つのシステムを運用する場合でも、複数のアプリケーションソフトウェア、ミドルウエア(データベース、OS、ネットワーク、監視ツールetc)が統合されて動作しています。運用で発見した問題については、アプリケーションレベル、ミドルウエアレベルと、問題の切り分けを行い、それぞれのサプライヤーへの問い合わせを行い、問題解決を図ります。 そして、ユーザは、サプライヤー毎に異なる問い合わせのルールに従わなければなりません(例えば、アプリケーションソフトウェアは購買部が電話で問い合わせる、ミドルウエアは情報システム部が契約者専用サイトから問い合わせる、など)。問題の解決結果は、解決後に自社の問題管理台帳に反映していますが、結果を導いた経緯(複数ルートのコミュニケーション)を、後追いで自社問題管理台帳へ反映まで徹底することは困難です。 上記2つの例は、まさに担当する会社・役割によって仕事の仕方が異なり、それぞれの仕事のやり方をつなげる業務を、労力によって、まかなっていることになります。また日常のコミュニケーションをナレッジに変えて組織に継承することが困難になっている例と言えるでしょう。

Enterprise Business Collaborationの誕生

どうしたら、今の仕事の状態をナレッジとして継承し、そして非効率な仕事のやり方から抜け出すことができるのでしょうか?その解決方法が、弊社が提唱する「エンタープライズビジネスコラボレーション(以下、EBC)」です。EBCは、以下の3つに着眼した概念です。

問題管理業務の例
仕事の関係者同士(社内・社外)のコミュニケーションは、まさに組織そのものです。下図に示す「サークル指向型」コミュニケーション・組織が、もっともコラボレーションの可能性が大きいと言えます。

コミュニケーションの分類/コラボレーションの可能性
中央が「共通の目標(協働で完成させるビジネスデータ、成果)」、「最終責任者」で、「役割関係者」がサークル上に配置されています。
EBCは、同じ仕事をする関係者同士が、共通の場(サークル)で仕事を進めることを実現し、関係者は、共通の目標を達成するための個々の役割が定義されて、共通の場(サークル)へ参加します。役割に応じて知るべき情報を確認し、回答できる、反応できる仕組みです。
自身の役割、ポジションを認識できれば、役割に応じたコミュニケーションが促進され、共通目標(協働で完成させるビジネスデータ、成果)を達成し、チームを活性化します。

コミュニケーションと共通目標をあわせて管理するということで、「結果」と「経緯」をあわせて管理することで、ナレッジの継承が可能になります。日常業務を行うことで、ナレッジをタイムリーに関係者と共有できることが特徴です。

EBCにより、お客様からの言葉「サプライヤー側の理屈で仕事のやり方が決まってしまう。これを何とかできないだろうか?」に対する問題解決を実現します。

医薬品工場建設プロジェクトの例でのEBCによる解決:

「設備・システム連携のための設計情報・テスト仕様書」の更新時には、1か所の作業場で作業を行います。(それぞれの設計データ(表計算ファイル)は持ちません。)
設備担当会社は、データをプロセス単位に並べ、システム担当会社は、データを設備単位に並べます。同一のデータに対して、協働でデータメンテナンスを行い、双方で変更管理の内容の連絡と、確認を行うコミュニケーションを行い、確定させます。メンテナンス責任のあるデータのみを閲覧して、チェック・コメントを行うことができます。データは1か所でメンテナンスするため、データの照合業務は発生しません。変更の履歴やコメントのやり取りと、設計情報・テスト仕様書の結果を、あわせて、確認できます。

問題管理業務の例でのEBCによる解決:

問題の発生から問題のクローズまでの一連の業務プロセスを一つの作業場(台帳)で行います。問題の分析により、調査担当サプライヤーを指定することにより、担当サプライヤーへ調査依頼の連絡をし、回答を得ることができます。(システム連携によって、サプライヤーの受付システムと連携することも可能です)
サプライヤーからの回答を引き出すまでのコミュニケーションの経緯も、問題の関連情報として蓄積することで、最終的な結果と、結果を導いた経緯をあわせて保管することができるため、コミュニケーションをナレッジに変えることが実現できます。

まとめ:

EBCは、企業内・企業間の協働作業(Business Collaboration)によって、業務効率を高めつつ、且つ持続的に成長するためのナレッジ継承を可能にする概念・手法です。
これにより、サプライヤー側の理屈で仕事のやり方が決まるのではなく、ユーザ、サプライヤーのそれぞれの役割に応じてコミュニケーションを図りつつ、結果を生み出し、それをそれぞれの役割に対してナレッジを継承し持続的成長をもたらします。

東洋ビジネスエンジニアリング株式会社
宮澤 由美子
製造業の基幹システム(ERP)、医薬品製造業の生産実行管理システム(MES)の企画・導入プロジェクトマネジメント及びITサービスマネジメントを担当、製造業の業務改革・改善実現に向けた企画、プロジェクトマネジメントを専門としている。

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